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集英社コバルト文庫
「六人の兇王子 サーリフの宴」 | ||
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荻野目悠樹 |
●あらすじ…
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ヴェネトヴァ公国のギベルティ公家では、クーデターが発生していた。ヴェネトヴァ公ランブルスコが公妃ソライアに殺され、実権は妃に移ったのである。彼女の目は尋常でなかった。なにかに取りつかれたように長年つれそった夫を殺したのだ。公妃は寝室にひとりの男を迎えいれる。彼女はその男の虜となっていた。男が与えてく
れるこの世のものとは思えぬ快楽に溺れていたのである。男は魔性のごとき美貌をもち、体から発する芳香は女の身も心も捉えてしまう。名はサーリフ。〈兇王子〉のひとり、別名〈快楽の宗主〉である。彼の〈骨〉の〈力〉は香りである。すべての女を単なる牝≠ニ化し、発情させ、己の虜としてしまうのだ。それに逆らうことのできる女はいない。どんな意思の強い女であろうとも動物の本能を呼び覚まされてしまうのである。彼は公妃を楽しませながら、軽蔑の眼差しで肉欲に溺れる彼女を見ていた。彼にとって
は、醜い牝≠ノすぎなかった。そこへ〈影〉が現れる。サーリフはギヴァを殺し、〈骨〉をとりもどすという使命を受けるのだった。
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